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自筆証書遺言保管制度とはどのようなものですか?

2022年05月13日
  自筆証書遺言保管制度(以下、「保管制度」といいます)は、遺言者が自筆証書遺言を法務局に預け、法務局において保管してもらうことができる制度です。
 自筆証書遺言には、紛失のリスクや遺言者以外の人による偽造・変造のリスクがあることは先にご説明したとおりですが、保管制度では、法務局が自筆証書遺言を保管するため、紛失のリスクはありませんし、保管された自筆証書遺言を閲覧できるのは、遺言者本人だけですので、遺言者以外の人による偽造・変造のリスクもありません。
 また、保管制度においては、自筆証書遺言に使用できる用紙のサイズ、筆記具、記載の様式に制限があります。しかし、保管制度利用の際には、法務局において、自筆証書遺言の形式についてチェックを受けることができますので、形式面で遺言書が無効とされるリスクが大幅に減少します。
 さらに、保管制度においては、相続発生後の法務局から相続人への通知の仕組みも用意されています。具体的には、①相続発生後、相続人が自筆証書遺言を閲覧するなどした場合に、他の相続人に自筆証書遺言が法務局に保管されていることをお知らせする「関係遺言書保管通知」、②遺言者の死亡後、遺言者が指名した1名の者に対し、自筆証書遺言が法務局に保管されていることをお知らせする「死亡時通知」です(「死亡時通知」は遺言者が希望する場合のみに実施されます)。このような通知の仕組みにより、相続人が遺言の存在を知らないまま、相続の手続を進めてしまう心配がなくなります。
 加えて、保管制度を利用する場合には、遺言者死亡後、家庭裁判所における遺言書の検認の手続きを取る必要もありません。
 このように、保管制度は、自筆証書遺言のデメリットをカバーしてくれる非常に便利な制度ですが、遺言の内容の有効性まで確認してくれる制度ではないことに注意が必要です。遺言の内容についてお悩みの方は、お気軽に弁護士にご相談ください。
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