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法律ひとくちメモ

未公開株式について

Q 未公開株式とは何ですか。

 証券取引所に上場していない株式のことを未公開株式といいます。逆に、証券取引所に上場している株式を公開株式といいます。


Q 未公開株式を巡ってどのようなトラブルが起こっているのですか。

 未公開株式を巡るトラブルは、年々増加しています。トラブル例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 業者から上場間近で大儲けが出来ると言われ、未公開株式を購入したが、その後、未公開株式発行会社に確認したら上場予定は全くないと言われた

  • 業者から未公開株式を買わないかと話を持ちかけられ、購入したが、その後、何の連絡もないので業者に電話 をしてみるとつながらなくなっていた

  • 業者から今年中に上場すると未公開株式を勧められ購入した。株券の名義書換えを要求したところ「待って欲しい」として引き延ばされるだけで一向に名義書換えに応じてもらえず、不審に思い、発行会社に問い合わせたら「上場の予定はない」、「当社の株式は譲渡制限がついているので名義の書換えは出来ない」と言われた

  • 未公開株式発行会社から未公開株式購入の勧誘を受け、一度は断ったが、その後、他の業者から「その会社の未公開株式をあなたの買値の2倍で買い取るから代わりに買ってくれないか」などと言われ、これを購入したが、結局、買い取ってもらえなかった。


    Q トラブルに巻き込まれないためには、どのような点に注意したらいいですかい。

     もし、未公開株式購入の勧誘を受けても即座に購入に応じることは避け、以下の点を確認しましょう。基本的には、あなただけにおいしい話が転がってくることはあり得ないと考えるべきです。

  •  勧誘をしてきた業者が第一種証券取引業の登録を受けているか確認しましょう。金融商品取引法上、未公開株式等の有価証券の勧誘・販売を業として行うことができるのは、第一種金融商品取引業の登録を受けている業者に限られており(金融商品取引法29条)、これ以外の業者が勧誘・販売を行うことはできません。この登録がなされているかは、金融庁のホームページで確認することができますので、必ずその業者が第一種証券取引業の登録を受けているかを確認しましょう。登録されていない業者からの勧誘は、違法な勧誘であり、その多くは投資詐欺です。したがって、第一種証券取引業の登録がなされていない業者からの勧誘には一切応じないようにしましょう。

  •  未公開株式発行会社が実在するか確認しましょう。株式会社が実在するかは、商業登記簿を閲覧することで確認が可能です。ただし、発行会社が実在していても、詐欺を行うために作られた会社であることもありますし,有名な企業でも株式の譲渡制限のある会社だということもありますので注意する必要があります。

  •  本当に上場する予定があるのかを未公開株式発行会社に確認しましょう。ただし、発行会社が虚偽の説明をする可能性があることにも留意しましょう。未公開株式の発行会社が証券取引所に上場するときは公募増資を行う場合が多く、公募増資する際には内閣総理大臣への届出が必要です。届出状況は金融庁ホームページで確認することができますので、この点についても確認しましょう。

  •  また、日本証券業協会の自主ルールにより、グリーンシート銘柄以外の未公開株式の勧誘は禁止されています。グリーンシートとは、非上場企業の株式等を売買できるように、日本証券業協会が平成9年7月から行っている制度です。グリーンシート銘柄であるか否かは、インターネット上で確認することができますので、勧誘を受けた未公開株式がグリーンシート銘柄であるかについて確認してください。


    Q トラブルに巻き込まれてしまった場合、どうすればよいですか。

     もし、未公開株式を購入後、不審な点があったらすぐに弁護士、国民生活センター、警察等に相談しましょう。
     虚偽の事実を告げ、未公開株式を購入させることは違法で、詐欺による取り消しや不法行為による損害賠償の対象となり、支払った代金の返還を求めることができます。中には、支払った金員の返還に応じる業者もいますが、このような業者は、詐欺を行うために作られた架空の業者であることも少なくなく、調査によっても、その実体がつかめず、結局、被害回復ができないことも少なくありません。
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